花きや観葉植物の「半日陰を好む植物の管理」にも通じる、野山ならではのミョウガ栽培の専門的なコツを解説します。
① 「湿気はあるが、水はたまらない場所」を見極める
ミョウガは湿気を好みますが、常に水が溜まってドロドロになっている場所(沼地のような場所)では、根が窒息して腐ってしまいます。
・実践: 狙い目は「斜面の麓(ふもと)」や「大きめの樹木の足元」です。斜面を伝ってきた水分が程よく土を潤しつつ、傾斜によって余分な水はサーッと抜けていく。この「通気性と保水性のバランス」が、大ぶりのミョウガを収穫するための最大の鍵です。
・実践:みょうがは繁殖力が強すぎるため、放っておくと地下で根がギチギチになり、実が小さくなってしまいます。2〜3年に一度、春先に地下茎をスコップで掘り起こして適度に間引き、株の若返りを図ることで、常に大粒の個体を維持します。間引いた地下茎は「苗」としてフリマアプリなどで他農家に販売し、裏の利益に変えることも可能です。
・実践:7〜8月に採れる「夏みょうが」と、9〜10月に採れる大ぶりな「秋みょうが」の品種をエリアごとに分けて混植します。これにより、夏の始まりから秋の終わりまで長期間にわたって途切れなく高単価な出荷を続けます。
② 「植え付け初期の光のコントロール」:最初の夏だけ下刈りをする
ミョウガは地下茎(ちかけい)で爆発的に増える強靭な植物ですが、植えたばかりの1年目だけは、周囲の背の高い雑草(アズマネザサやクズなど)に日光を完全に遮られると負けてしまいます。
・実践: 春に地下茎を植え付けたら、その年の夏だけは、ミョウガの周囲の雑草を優しく刈り取って、木漏れ日が入るようにしてあげます。2年目以降、ミョウガの群落が自立してしまえば、もう雑草に負けることはありません。
③ 「落ち葉をよけずに、むしろ集める」:引き算の土壌管理
平地の畑のように、土を耕して肥料を混ぜる必要はありません。野山の土壌生態系をそのまま利用します。
・実践: 秋になり、周囲の木々から落ち葉が降ってきたら、あえてそのままにしておきます。むしろ、近くの落ち葉を集めてミョウガのエリアに厚く敷き詰めてください。これが時間をかけて微生物に分解され、ミョウガが最も好む「フカフカで栄養豊富な腐葉土の層」を自動的に作り出します。
夏の終わりに落ち葉を少し掻き分けると、そこには、赤紫色のツヤツヤとした、信じられないほど香りの強い天然ミョウガが顔を出してくれます。刻んで冷奴にのせるだけで、関東の豊かな自然を五感で味わうことができます。
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