花きや観葉植物の「吸水性の高い土壌管理」の知見ともリンクする、ひらたけ栽培を確実に成功させるプロのテクニックです。
1.「短木(たんぼく)栽培」と「地伏せ(じぶせ)」:水やりの手間を完全ゼロにする
ひらたけの栽培では、しいたけのように長い丸太を立てかける方法は避けます。木が空中にあると、夏の乾燥であっという間に菌が死んでしまうからです。
・実践: 原木を長さ15〜20cmほどの「切り株状(短木)」にチェーンソーでカットします。その切り口(断面)にひらたけの菌(オガ菌や活着済みのシート)をサンドイッチのように挟み込みます。そして、その丸太を雑木林の北向きの日陰に「半分地面に埋める(地伏せ)」を行います。こうすることで、丸太が地球(地面)の底から水分をストローのように常に吸い上げ続けるため、人間による水やりの手間が完全にゼロになります。
2.「サンドイッチ部分の完全遮光」:初期の菌糸の活着(かっちゃく)を守る
菌を挟んだ断面に強い光が当たったり、乾燥した風が吹き込んだりすると、ひらたけの菌糸が材木に定着する前に衰退してしまいます。
・実践: 地面に埋めた丸太の頭(地表に出ている部分)の上から、近くの古い落ち葉を厚さ5cm以上、帽子のようにふんわりと被せておきます。これにより、丸太の内部が常に「暗黒・高湿度」に保たれ、植え付けから数ヶ月で菌糸が木全体を真っ白に覆い尽くします。
3.「落ち葉マルチ」による雨の泥跳ね・砂噛み防止
秋(10月〜11月)になり、気温がグッと下がると、地面に埋まった丸太の周囲から、グレーがかった見事な肉厚のひらたけが重なるように発生します。
・実践: キノコが発生する直前の9月頃、丸太の周囲の地面に、クヌギやコナラなどの広葉樹の乾いた落ち葉をさらに広く敷き詰めます。ひらたけは地面に近い場所から生えるため、雨が降った際の「泥跳ね」が傘の裏側に入り込みやすいのが弱点です。落ち葉で地面をガードしておくことで、砂や泥を一切噛んでいない、料亭品質の美しく綺麗なキノコをそのまま収穫することができます。
晩秋の冷え込む夜、野山から収穫してきたばかりの肉厚なひらたけを手で贅沢に大きく裂き、鶏肉と一緒に鍋に放り込む。火が通るにつれて、キノコから信じられないほど濃厚で芳醇な出汁が溢れ出し、スープが極上の黄金色に染まります。一口すするだけで、関東の身近な里山が持つ底知れぬ生命力を体感することができます。
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