秋に植えてから翌年の初夏まで、半年以上も畑を占有してしまうため、市民農園では区画のやりくりに頭を悩ませるタマネギ。これを、野山の空いている斜面や樹木の間を利用して、完全ノーメンテナンスで育てるモデルです。平地では、雑草を防ぎ地温を上げるためにプラスチック製の黒いマルチシートを一面に敷き詰め、栽培後に大量のゴミが出ますが、野山ではそれを「自然の遺物」で代用します。「資材ゴミを一切出さず、半年間完全放置で、炒めると驚くほど甘い、皮の分厚い頑丈なタマネギを大量自給する」という、持続可能なスローフードモデルです。
タマネギ(ネギ属)の先祖は、中央アジアの山岳地帯や、斜面の過酷な環境に自生していた多年生の球根植物です。彼らはもともと、冬の寒さと夏の乾燥を乗り越えるための強い生命力を持っています。関東の野山に毎年秋に大量に降り積もる「クヌギやモミジの古い落ち葉の層」は、タマネギにとって、人間が作った黒いビニールマルチを遥かに凌駕する「最高級のマルチング」です。落ち葉の層が冬の冷たい霜からタマネギの細い根を守り、適度な湿気をキープしつつ、春先には雑草の芽吹きを優しく抑え込んでくれます。
・「傾斜地への千鳥(ちどり)植え」: タマネギは水がたまると「べと病」という致命的な病気にかかります。野山の緩やかな傾斜地を選び、等間隔にジグザグ(千鳥状)に小さな穴を開けて苗を挿し込んでいきます。斜面の高い排水性がべと病のリスクをゼロにし、無農薬での冬越しを完璧にサポートします。
・「ツルが倒れたら」収穫の合図: 5月〜6月頃、タマネギの青い葉が根元からポキッと一斉に横に倒れます。これが「球が十分に大きくなって完熟したよ」という植物からのサインです。野山の乾いた晴天の日を狙って引き抜き、そのまま雑木林の風通しの良い木枝に束ねて吊るしておくだけで、数ヶ月間、いつでも使える極上の万能薬味・食材として食卓を支えてくれます。
高齢化の影響で、農業は就業者数こそ減少しているものの、食糧生産という重要性の高い事業であることから、そのニーズが衰えることはありません。農業ビジネスは、農業や農業に関わる周辺ビジネス全般を指す言葉です。農業といえば種を蒔き手塩にかけた作物を収穫するイメージが強いですが、ビジネスとして考える場合、必ずしも作物を育てて収穫することだけが農業ビジネスというわけではありません。加工して販売するのも、農業体験をあっせんするのも農業に含まれます。採れたて野菜ジュースや無農薬野菜でアイスクリームを加工販売するのも農業に含まれます。観葉植物の生産販売も、昆虫やミミズの養殖も農業に当たります。育てた竹を加工してコップやキャンドルに加工して販売するのも農業です。ヤギを飼ってヤギのミルクが飲める観光農園を運営するのだって、ダチョウを飼ってダチョウの目玉焼きを提供するのも農業です。農業ビジネスは、地方創生や都心部からの脱却といった近年のトレンドに合わせて、注目度が高まっている事業形態です。場所選びを上手にやれば、作物をブランド化することにより差別化を図る事も可能です。無農薬で育てたレア食材を販売したり、ブランド化して少量生産するのも勝算があるでしょう。就農していきなり一本立ちするのは少々敷居が高いですが、都心近郊でサイドビジネスとして始めてみるのなら、リスクも最小限に抑えられます。農協を通して安く販売するのではなく、直販サイトを制作したり、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトで販売することで希少価値を保ちながら消費者に対して直販することができます。フリーマーケットならユーザーの意見を直接聞くこともできます。ネット上で自分自身で【半農半X】で始めるなら、負担なく自分自身の可能性に挑戦することができます。発想次第で楽しみながら自分らしいライフスタイルを実現することができます。