市民農園では「無農薬栽培が最も難しい」とされるアブラナ科の結球野菜(ハクサイ・キャベツ)を、野山の複雑な生態系(生き物のネットワーク)を借りて完全無農薬でクリーンに育てるモデルです。平地では、植えた瞬間にアオムシやコナガ、アブラムシの襲撃に遭い、防虫ネットで厳重に囲うか、農薬を毎週撒かなければ一晩でレースのカーテンのように透き通った骨組みにされてしまいます。「資材費ゼロ、薬剤リスクゼロで、冬の鍋物やロールキャベツに最適な、葉がギュッと詰まった大玉のハクサイ・キャベツを完全自給する」という、生態系ハックの最高峰です。
なぜ平地では虫だらけになるハクサイが、野山では無傷で育つのでしょうか。理由は「周囲の植物の多様性」と「天敵の数」にあります。市民農園は「ハクサイだけ」「キャベツだけ」が綺麗に並んでいるため、害虫にとって遠くからでも目立つ「無料の食べ放題レストラン」に見えています。しかし、野山の「多種多様な雑草が茂る隙間」に点在させて植えると、害虫(チョウやガ)は視覚的・嗅覚的にハクサイを見つけることができなくなります(カモフラージュ効果)。さらに、野山には平地の畑の数百倍の「クモ」「アシナガバチ」「ゴミムシ」「テントウムシ」といった肉食性の天敵が最初からスタンバイしているため、孵化したアオムシは一瞬で捕食され、害虫の大量発生が自然の力で完全に抑制されます。
・「雑草の “壁” 残し」配置: ハクサイやキャベツの苗を植える際、周囲の雑草を丸裸に草刈りしてはいけません。株の周囲30cmだけを丸く刈り取り(ネキカリ)、その外側の雑草はあえてハクサイと同じくらいの高さに伸ばしたまま「壁」として残しておきます。この雑草の壁が、害虫の飛来を物理的にブロックする天然の防虫ネットとして機能します。
・冬の「外葉(そとば)マルチ」によるセルフ防寒: 関東の12月〜1日の厳しい寒さが来ると、ハクサイは自らの身を守るために、一番外側の大きな葉をバサッと外側に倒し、中心の「芯(一番美味しい部分)」を包み込むようにして天然のドームを作ります。人間が紐で縛ってあげる必要はありません。野山のフカフカの土着菌の温もりと、このセルフ防寒によって、霜に当たってますます糖度が上がった、芯まで霜焼けしていない極上のハクサイが収穫できます。
高齢化の影響で、農業は就業者数こそ減少しているものの、食糧生産という重要性の高い事業であることから、そのニーズが衰えることはありません。農業ビジネスは、農業や農業に関わる周辺ビジネス全般を指す言葉です。農業といえば種を蒔き手塩にかけた作物を収穫するイメージが強いですが、ビジネスとして考える場合、必ずしも作物を育てて収穫することだけが農業ビジネスというわけではありません。加工して販売するのも、農業体験をあっせんするのも農業に含まれます。採れたて野菜ジュースや無農薬野菜でアイスクリームを加工販売するのも農業に含まれます。観葉植物の生産販売も、昆虫やミミズの養殖も農業に当たります。育てた竹を加工してコップやキャンドルに加工して販売するのも農業です。ヤギを飼ってヤギのミルクが飲める観光農園を運営するのだって、ダチョウを飼ってダチョウの目玉焼きを提供するのも農業です。農業ビジネスは、地方創生や都心部からの脱却といった近年のトレンドに合わせて、注目度が高まっている事業形態です。場所選びを上手にやれば、作物をブランド化することにより差別化を図る事も可能です。無農薬で育てたレア食材を販売したり、ブランド化して少量生産するのも勝算があるでしょう。就農していきなり一本立ちするのは少々敷居が高いですが、都心近郊でサイドビジネスとして始めてみるのなら、リスクも最小限に抑えられます。農協を通して安く販売するのではなく、直販サイトを制作したり、ヤフオクやメルカリなどのショッピングサイトで販売することで希少価値を保ちながら消費者に対して直販することができます。フリーマーケットならユーザーの意見を直接聞くこともできます。ネット上で自分自身で【半農半X】で始めるなら、負担なく自分自身の可能性に挑戦することができます。発想次第で楽しみながら自分らしいライフスタイルを実現することができます。